鍔の部分名称

茎穴 中央の穴で刀を通す場所
切羽台 茎穴の周りで切羽で固定する場所、銘はここに切る
小柄櫃 切羽台の左にある穴
笄櫃 切羽台の右にある穴
鍔の縁の部分
責金 茎穴の上下にはめて刀のぶれを抑える役目をする

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材質の種類

鉄が最も多く使用されている、鋼になると味もあって色も黒っぽくなる
素銅(すあか) 純銅のことで赤っぽく光沢がある
山銅(やまがね) 精錬されていない銅で青っぽい色をしている
赤銅(しゃくどう) 銅に少量の錫と鉛と金を加えた合金で金の割合が増えると黒味が増す
四分一(しぶいち) 朧銀(ろうぎん)ともいう。銅に25%以上の銀をまぜた合金のこと
真鍮 銅と亜鉛の合金で昔は貴重な金属であった
金に銀を混ぜた青金を使う

地肌の種類(表面の仕上げ)

磨地(みがきじ) 彫り以外の部分を平らに凹凸なく磨いたもの
石目地(いしめじ) 鍔の一面をたがねで打ったもの。
魚子地(ななこじ) 魚卵状に連続して丸い点を打ったもの、赤銅地に多い
木目地(もくめじ) 木目のような模様のもの
槌目地(つちめじ) 鉄鍔で槌を打った跡を残したもの
腐らし(くさらし) 鉄鍔の表面を薬品で腐食させて模様をだしたもの
渡金(ときん) 水銀を使用したメッキのこと

耳の種類(鍔の周囲)

丸耳 面と耳の区画を作らないで、周りも丸肉に仕上げたもの
角耳 周囲を真っ直ぐに仕上げたもの、だいたいは僅かに丸みがある。
土手耳 土手のような耳

彫刻

高肉彫り 模様を残して他の地の部分を掘り下げて高くしたもの
毛彫り たがねで地に平面に彫刻を施したもので象嵌がない場合は素毛彫り、象嵌がされていると平象嵌毛彫りという
薄肉彫り
肉合彫り(ししあいぼり)
鋤出彫り(すきだしぼり)
片切り彫り 片切りたがねで片方を深く、もう片方は斜めに浅く彫る

象嵌(地金に切り込みをつけて金属をはめ込む技法)

平象嵌 地と象嵌の高低差がなく平らに磨きあげて仕上げる方法
線象嵌 平象嵌と違うところは象嵌が糸のように細いことである
布目象嵌 地がねに縦横に布目状にたがねで切り込み、そこに金属をたがねで打ち込んだもの
肉彫り象嵌 肉彫りを象嵌したもので大きな模様の場合によくおこなわれる
摺り付け象嵌 毛彫りに金や銀を摺り込んで磨き上げたもので繊細な表現ができる
うっとり象嵌 模様を金の薄い板で包んだもの、象嵌ではあるが色絵のように仕上がる